企業などが新商品を開発すると、必ずと言っていいほど「価格設定」に困るそうです。
利益が出るように、かつ手に取ってもらえる値段でなければならないといったことがあるからです。
最近では、ハンドメイド商品を売っている個人の方もいるので、この「価格設定」に関する問題は身近になってきた気がします。
さて、価格設定は難しいものだという話をしましたが、「その商品の価値がどれだけあるのか、また見込み客はどれだけいるのか」について考えれば、少しは簡単になるのではないでしょうか。
もし、商品価値が高かったり、見込み客が少ないのであれば価格を上げて、逆に、商品価値がそこまでなかったり(こんな商品ないと信じていますが)、見込み客が多いのであれば価格を下げればいいのです。
例えば、スーパーや八百屋などで売っている普通の野菜は客層が広く、たいていの人が欲しがります。
しかし、客全員に野菜が行き渡るように大量生産されているため、商品価値は自然と下がってしまいます。
なので、価格を安く設定しておいて、たくさんの人に買ってもらうことで収益を上げるのです。
それに対し、「成城石井」などの比較的高めの価格設定をしている店では、お客さんがたくさんいるわけではありませんが、その分、野菜や果物、その他もろもろの商品へのこだわりは強く、商品価値はとても高いです。
なので、商品の価格は高いけど、その代わりにお客さんに商品や店の安心感を与えることで補うことができているのです。
他の例を挙げると、時計やネックレスなどのジュエリーは、学生向けのものならば商品価値がそこそこあるものの、そこまで高くないというものを目指し、流行に敏感な人をターゲットにする場合は、価格どうこうよりも、流行に沿ったデザインやシルエットに力を注ぎ、商品価値を少しでも上げた方が良いこともあるのです。
ところで、もしこの価格設定を間違ってしまうと、次にどのようなことが起こってしまうのでしょうか?
その答えは、設定した価格が相場よりも高いのか、それとも低いのかで異なってきます。
まず、相場よりも高い場合ですが、これはもちろん、お客さんが買ってくれなくなってしまいますよね。
「この店で買うなら、あっちの安い店で買おう。」となってしまうわけですから。
なので、高く設定しないように、常にライバル店の商品の価格を見ておくことが必要になってきます。
次に、相場よりも低く価格設定してしまった場合ですが、利益がちゃんと出る程度ならば全然良いと思います。
しかし、そのことを一切考えず設定してしまったのなら、後で赤字になってから気づくことになるでしょう。
これでは、経営者として失格です。
きちんと経営について、勉強するべきでしょう!
また、価格を低く設定しすぎると、その商品の価値がお客さんの立場からだと下がっているように感じてしまいます。
実際には、商品価値は下がっていないはずなんです。
傷とか付けていなければ。
ですが、お客さんはそのように感じてしまうのです。
例えば、ゲームとかパソコンを想像してもらいたいのですが、もし値段が下がっていたら、「販売されてから年月が経っているんだな。」とか「もう最新バージョンが出ているんだな。」と思ったりしませんか?
これは、こういったものが発売されてから数か月経ったり、次のバージョンが出た場合、実際に値段が下がるので、それを頭のどこかで覚えていたことによる脳の錯覚ではないかと考えられます。
なので、値下げをする際には、このイメージを与えないようにすることも重要になってきます。
さらに、価格を低く設定しすぎると、商品の信頼度は限りなくゼロに近づくことも分かっています。
たとえ、高級品であっても、高級感は全く味わえなくなってしまうのです。
例えば、ロレックスやオメガなどの時計が、ルイヴィトンのバッグや財布がそれぞれ1000円で売っていたらどうでしょう。
実際にはありえない話ですが、もしあったとしたら、あなたは買うでしょうか?
たぶん、今は買うかもしれないと迷うかもしれませんが、いざその場に行くと状況が違ってきます。
だって、高級品が1000円で売っているわけですから、普通は偽物ではないかと疑うようになります。
不良品ではないかと疑うようになります。
たとえ、それが本物であってもです。
つまり、その商品に見合った値段でないと、私たちは疑うようになり、購入するのを止めるのです。
もちろん、フリーマーケットなどの中古品の場合を除いての話ですが。
このように、価格設定は難しいものですが、「その商品の価値がどれだけあるのか、また見込み客はどれだけいるのか」を考えれば、少しは簡単となります。
しかし、間違ってしまうと、後に大変なこととなってしまう可能性もあります。
なので、価格設定を軽く見ることなく、慎重に行っていく必要があるのです。
客の立場になって考えてみること、つまり、客観的に商品を見てみることも必要なのかもしれませんね。
また、その商品を買う立場となった時に、「商品価値に見合った価格ではないな。」と感じた時は、購入するのをもう一度考え直してみることが大切なのです。
<まとめ>
- 商品価値が高いとき、または見込み客が少ないときは、価格を高く設定する
- 商品価値が低いとき、または見込み客が多いときは、価格を低く設定する
- これは、あくまで基準なので、状況に応じて変更する必要がある
- 価格設定を間違えると、利益が出ない上に、お客さんの信頼を失う結果となりうる
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